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佐伯 盛久; 大場 弘則; 横山 淳
Journal of Physics; Conference Series, 59, p.732 - 735, 2007/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Optics)ネオン・ベンゼン蒸気中でシリコンのレーザーアブレーションを行い、アブレーションにより生成するシリコン原子・イオンとネオン原子及びベンゼン分子との反応を空間・時間分解した発光分光法により調べた。その結果、シリコン+ネオン系では、ネオン原子はシリコンイオンからの電子-電子エネルギー移動または並進-電子エネルギー移動により、入射エネルギー(1.17eV)よりもはるかに高いエネルギー準位(18-19eV)まで励起されることがわかった。一方、シリコン+ベンゼン系では、ベンゼン分子はシリコン原子・イオンとの反応によりC2ラジカル及びCHラジカルまで分解されることがわかった。
土谷 邦彦; 内田 宗範*; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1057 - 1063, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:60.11(Nuclear Science & Technology)核融合原型炉の中性子増倍材料として期待されているBe-TiやBe-Vのようなベリリウム系合金は、高温で使用可能で化学的安定な先進材料として注目されている。そこで、ベリリウム系合金(Be-Ti)と構造材料(SS316LN)との両立性試験を行い、その両立性及び反応素過程について調べた。Be-Ti系合金としては、BeTi相とBe相が共存するBe-5at%Ti及びBe-7at%Tiを用いた。接触面のX線回折の結果、反応生成物はBeNi及びBeFeであった。SEM観察の結果、2種類のBe-Tiとも、800C1000時間の反応層厚さは100m程度と、Be単体(反応層厚さ:約300m)と比較して小さく、これらのBe-Ti系合金が良好な両立性を有することを明らかにした。この結果、BeTi相とBe相が共存するBe-Ti系合金は、高温での両立性に良好な特性を有することが示された。
佐々木 明; 城 和貴*; 柏木 裕恵*; 渡辺 知恵美*; 鈴木 学*; Lucas, P.*; 大石 雅寿*; 加藤 太治*; 加藤 雅敏*; 加藤 隆子*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.7, p.348 - 351, 2006/00
原子分子データベースは基礎科学,産業応用で利用されているが、広い分野からの需要を満たすには、現在手作業に頼っているデータ収集,評価を効率化することが不可欠である。われわれは、従来の原子データベースの構築の方法を分析し、原子分子データが記載されている論文の収集,論文中の重要データの抽出,具体的な図表のデータの読み取り,数値化の3つの段階に分け、コンピュータの活用による作業の効率化の方法の検討を行った。まず、論文の収集に関しては、多くの学術雑誌がオンライン化されていることを利用し、アブストラクトを自動的に収集することができる。次に、核融合研などにこれまでに蓄積されている、原子分子データが記載されている論文との類似性を計算することで、収集された論文の中から原子分子データが記載されている論文を選びだすことができると考えられる。本研究では、参照アブストラクトとの類似性のためにLVQ(Learning Vector Quantization)法によるテキスト分類の方法を用い、用意されたサンプルが原子分子データを含む論文かどうかの適合性を判定する実験を行い、結果の評価を行う。本研究は、会津大,奈良女子大,核融合研のグループが論文ダウンロードソフトの開発,テキスト分類ソフトの開発評価,参照用データの提供等の各要素を分担して行う。
長崎 正雅*; 山口 憲司; 小西 哲之*
日本原子力学会誌, 46(11), p.770 - 779, 2004/11
プラズマ-壁相互作用,固体増殖材におけるトリチウム生成とその回収など、核融合炉材料と水素の間で繰り広げられる重要な現象に着目しつつ、これを素過程の観点より概観した。核融合炉材料として用いられる材料は、金属から、黒鉛や酸化物系セラミックスなど多岐にわたるため、まず、共通する知識のベースを確認したうえで、個々の材料や現象の特異性に依拠する事象を明らかにするというアプローチを採用した。材料と水素の問題は古くから研究されている問題ではあるが、最後に、核融合環境下での特異性に関連して解明が求められている点を列挙した。
仲野 友英; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 東島 智
プラズマ・核融合学会誌, 80(6), p.500 - 510, 2004/06
ダイバータプラズマにおいて水素イオン温度の空間分布はプラズマ及び不純物の輸送を調べる上で重要なパラメータである。本研究では、JT-60Uダイバータプラズマにおいて、リチウム様炭素イオン(CIV)の主量子数n=6-7遷移によるスペクトル線の拡がりから水素イオン温度を測定した。このような高電離高励起状態の炭素イオン(CIV n=7)が生成されるのは、励起状態の水素原子からヘリウム様炭素イオン(CV)への電荷移行過程による。これを実験結果と衝突放射モデルによる計算結果を比較することにより明らかにした。実験で得られたスペクトル線形状から、2つの温度成分が導かれた。これはダイバータ部の低温水素イオンと、主プラズマ周辺の高温水素イオンの温度を反映していると考えられる。これを定量的に理解するため、モンテカルロ法によるプラズマ輸送計算を行い実験結果と比較した。
河内 哲哉
NIFS-PROC-44, p.69 - 72, 2000/01
高密度プラズマ中の多価イオンは、軟X線レーザーの媒質として重要であり、その発光機構を明らかにすることは、軟X線レーザーの高効率化や新しいスキームの発見に重要である。本発表では、再結合型軟X線レーザーを例にとり、プラズマ冷却時のイオンの再結合過程において、多重励起状態を経由する原子過程が重要な役割をすることを、シミュレーションによる手法と実験データを照らし合わせることにより明らかにする。また、再結合型軟X線レーザーにおける反転分布生成機構に関して議論する。
久保 博孝; 澤田 圭司*
プラズマ・核融合学会誌, 74(6), p.562 - 567, 1998/06
国際熱核融合実験炉では、ダイバータ板への熱負荷を軽減するために、非接触ダイバータ・プラズマを標準の運転モードとしている。従来、ダイバータ・プラズマでは、イオンがダイバータ板で再結合し、中性粒子となってダイバータ板から放出され、それが電離されながら輸送される状態にあると考えられていた。しかし、最近、非接触ダイバータ・プラズマでは、プラズマ・イオンがダイバータ板に到達するまでに再結合する現象(体積再結合)が観測された。この体積再結合は、非接触ダイバータ・プラズマにおけるイオン流束の減少に重要な役割を果たすと考えられている。したがって、ダイバータ・プラズマにおける体積再結合過程の理解は、次期核融合装置の運転モードの検討及び性能評価に重要である。また、低温高密度プラズマ中のプラズマ素過程のひとつとして、体積再結合はプラズマ分光学的にも興味深い現象である。ここでは、ダイバータ・プラズマにおける体積再結合に関する最近の研究を、特に分光診断に関するものを中心に紹介する。
岡田 漱平
放射線化学, (50), p.34 - 39, 1990/00
エネルギー可変単色陽電子ビーム、低速陽電子パルスビームなどが使えるようになってきて、陽電子利用は、アイソトープから得られる白色陽電子の物質中での消滅を扱っていた時代から、飛躍的進歩をとげている。本稿では、新しい陽電子ビーム利用のうち、放射線化学に関連したものを中心に、種々の過程の分離検出、陽電子消滅誘起質量分析などを紹介するとともに、低速陽電子パルスラジオリシスなどの将来的手法を提案する。また、GSIの重イオン衝突実験における真空のスパークで現れる陽電子ピークの解明、宇宙科学への利用、反水素創生などの基礎分野への陽電子ビーム利用について紹介する。